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【専門家が解説】債務超過を克服するための財務戦略7選!企業再生への道筋
目次
はじめに
デフレ経済から脱却を目指す企業が増える中、債務超過は深刻な経営課題となっています。債務超過とは、企業の負債が資産を上回る状態を指し、純資産がマイナスになることを意味します。この状況が長期化すると企業の存続にかかわる危機的状況に陥りかねません。そこで、本記事では債務超過を克服するための財務戦略について、具体的な対策を中心に解説していきます。
債務超過の原因と対策
まず、債務超過に陥る主な原因と対策について確認しましょう。
赤字経営の常態化
売上が伸び悩み、収益性が低下することで、企業は赤字に陥ります。この状態が続くと、資金不足から借入金が増加し、債務超過に陥る危険性が高まります。対策としては、経費削減や業務の効率化を行い、黒字化を目指すことが重要です。
経営資源を有効活用して、収益性の高い事業に特化することも有効な手段です。不採算事業からは早期に撤退し、コア事業への経営資源の集中を図るべきでしょう。
投資による負債の増加
設備投資や事業買収などにより、負債が過剰に増加すると、債務超過に陥る恐れがあります。事業投資においては、十分な事前検討と適切な資金調達計画が必要不可欠です。
投資の採算性を綿密に見積もり、キャッシュフロー計画を立てることが重要です。資金調達に当たっては、自己資本と借入のバランスを保ち、過度の負債は避ける必要があります。
資産の評価損
保有する資産の価値が下落すれば、その分債務超過に陥りやすくなります。特に不動産や有価証券の評価損には注意が必要です。
資産の適切な評価と、評価損が見込まれる場合の早期売却が対策になります。また、資産の入れ替えを行い、収益性の高い資産への転換を図ることも有効でしょう。
財務改善に向けた戦略
債務超過に直面した企業は、早急に財務改善に取り組む必要があります。主な戦略については以下の通りです。
増資による資本増強
純資産を増やすために、増資による資本増強が有効な手段の一つです。新株発行によって資金を調達し、債務超過を解消することができます。
ただし、増資には既存株主の持ち株比率が低下するデメリットもあります。円滑な手続きと、株主への丁寧な説明が重要となってきます。
債務の資本化
金融機関との交渉により、借入金を株式に転換する「債務の資本化」も選択肢の一つです。この手法を用いれば、一気に負債を減らすことができます。
ただし、既存株主への影響が大きいため、株主総会での承認が必要になります。交渉の際は、債権者との信頼関係の構築が何より重要です。
事業再編による純資産拡大
事業の選択と集中を図ることで、純資産を拡大させることができます。収益性の低い事業を切り離し、コア事業に経営資源を集中投入することが鍵となります。
事業再編には、事業譲渡や会社分割などの手法があります。いずれの場合も、スピード感を持って実行することが求められます。
資金調達の選択肢
債務超過に陥った企業は、財務改善に向けて、適切な資金調達手段を選ぶ必要があります。主な選択肢は以下の通りです。
金融機関からの借入れ
債務超過状態でも、金融機関から事業再生資金の借入れが可能な場合があります。ただし、過去の債務返済状況や事業計画の妥当性などが審査されます。
債務超過解消に向けた具体的な計画を提示し、返済能力を示すことが重要です。また、担保の有無によっても、借入条件が異なってくるでしょう。
ビジネスローン
ビジネスローンは、担保や保証人がなくても利用できる資金調達手段です。事業の将来性が高く評価されれば、柔軟な条件で融資を受けられる可能性があります。
適切な返済計画を立て、金利やローン条件を比較検討する必要があります。また、債務超過解消に向けた具体的な事業計画の提示が求められます。
公的支援制度の活用
国や自治体が提供する中小企業向けの支援制度を活用することも、有力な選択肢の一つです。補助金や融資、税制優遇措置などのメニューがあります。
支援制度を最大限活用するためには、対象要件を確認し、適切な申請手続きを行う必要があります。公的機関との綿密な連携が重要となってきます。
外部専門家の活用
債務超過から脱却するためには、経営課題への対応力が不可欠です。しかし、自社だけでは専門知識や経験が不足している場合が多いでしょう。そこで、外部の専門家の助言を仰ぐことをお勧めします。
中小企業診断士
中小企業診断士は、企業の経営課題に対する改善提案を行う専門家です。財務分析に基づき、債務超過への具体的な対策について、的確なアドバイスを受けることができます。
また、金融機関への提出が必要な「経営改善計画書」の作成支援も行っています。この計画書は、債務超過からの脱却に向けた重要な書類となります。
公認会計士・税理士
公認会計士や税理士に財務やコンプライアンスの観点からの助言を求めることも効果的でしょう。債務超過による税務上の影響や、会計基準への準拠性などについて、専門的なアドバイスが受けられます。
決算書の作成や税務申告、金融機関との交渉においても、公認会計士や税理士の力が不可欠です。債務超過に関する高度な知見を有しているため、有益な指摘が期待できます。
M&Aアドバイザリー
事業再編を検討する際には、M&Aアドバイザリー会社のサポートが役立ちます。債務超過企業の会社売却や吸収分割など、M&A手法に精通した専門家がいるためです。
事業の継続や撤退、統合などの選択肢をアドバイザーと検討し、最適なソリューションを見出すことができます。M&Aのプロセスにおいても、交渉から契約手続きまで万全のサポートが期待できます。
まとめ
債務超過は企業経営に深刻な影響を与える重大な問題ですが、適切な財務戦略を講じることで克服できる課題でもあります。主な対策としては、赤字解消や事業再編、資本増強、借入条件の見直しなどが挙げられます。また、専門家の知見を活用しながら、自社に合った最適な施策を立案・実行することが重要です。債務超過に早期に気づき、着実に対策を講じることで、企業は新たな発展の機会を見出せるはずです。
よくある質問
企業の債務超過とはどのような状況ですか?
企業の負債が資産を上回る状態を指し、純資産がマイナスになることを意味します。この状況が長期化すると企業の存続に関わる危機的状況に陥る可能性があります。
債務超過の主な原因と対策は何ですか?
主な原因は、赤字経営の常態化、投資による負債の増加、保有資産の評価損などです。対策としては、経費削減や業務の効率化、不採算事業からの撤退、適切な事前検討と資金調達計画の策定、資産の適切な評価と早期売却などが挙げられます。
債務超過からの脱却に向けた財務戦略には何がありますか?
主な戦略として、増資による資本増強、債務の資本化、事業再編による純資産拡大などが考えられます。また、金融機関からの借入れ、ビジネスローン、公的支援制度の活用なども有効な選択肢です。
外部専門家の活用は債務超過解消にどのように役立ちますか?
中小企業診断士、公認会計士・税理士、M&Aアドバイザリー会社など、各分野の専門家に助言を求めることで、財務分析に基づく具体的な対策の立案や、経営改善計画の作成、M&Aの検討など、有益な支援が期待できます。