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【2024年最新】労働条件通知書とは?法改正で変わる記載事項と作成のポイント

2025/01/04最新の運営方法とは?

はじめに

労働条件通知書は、企業が従業員に対して労働条件を明示する重要な書類です。新規採用時や労働契約の更新時には、必ず労働条件通知書を従業員に交付する必要があります。この義務は、労働基準法や労働契約法によって定められています。従業員一人ひとりに対して、雇用期間や賃金、労働時間など、細かな労働条件を書面で明らかにすることで、双方のトラブルを未然に防ぐことができます。

近年の法改正により、2024年4月以降は記載すべき事項が追加されました。就業場所や業務内容の変更範囲、有期雇用労働者の無期転換に関する事項など、明示事項がより詳細になりました。企業はこれらの変更点を確実に把握し、適切な対応を行う必要があります。

労働条件通知書の目的と意義

労働条件通知書の最大の目的は、労働者の権利を守ることにあります。明確な労働条件を提示することで、労使間での誤解やトラブルを防ぎます。

労働者保護の観点

労働者は雇用契約を結ぶ前に、自身の労働条件を十分に確認できるようになります。書面によって労働条件が明示されるため、労働者は冷静に内容を吟味し、判断することができます。雇用契約後に突然の条件変更があった場合にも、労働条件通知書を根拠に対応できます。

また、労働条件通知書を通じて、企業は労働者に対する説明責任を果たすことができます。企業と従業員の信頼関係を築く上でも、労働条件通知書は重要な役割を果たしています。

企業の法令順守の観点

労働条件通知書の交付は、法令で義務付けられています。企業は労働条件通知書を適切に作成・交付することで、労働関係法令を順守していることを示すことができます。逆に、労働条件通知書の不備や未交付は、法令違反につながる恐れがあります。

とりわけ2024年4月以降は、記載事項が増えたことから、企業は従来以上に注意を払う必要があります。労働基準監督署による是正勧告や、場合によっては罰金刑を受ける可能性もあります。

労働条件通知書の記載事項

労働条件通知書には、労働基準法や労働契約法で定められた必須の記載事項があります。一般的には以下の項目が含まれます。

基本的な労働条件

  • 労働契約期間
  • 就業場所
  • 業務内容
  • 労働時間(始業・終業時刻、休憩時間)
  • 賃金(基本給、手当、賞与、支払方法など)
  • 休日・休暇
  • 退職に関する事項

追加の明示事項

2024年4月以降、以下の項目についても明示する必要があります。

  • 就業場所や業務内容の変更範囲
  • 有期雇用労働者の更新上限の有無
  • 無期転換申込権の有無と手続き
  • 無期転換後の労働条件

特に無期転換後の労働条件については、正社員などとの均等・均衡を考慮する必要があります。企業は自社の労働条件通知書の内容を確認し、適切な対応を行う必要があります。

短時間労働者や有期雇用労働者への追加明示事項

パート、アルバイト、契約社員など、短時間労働者や有期雇用労働者に対しては、以下の項目についても明示する必要があります。

  • 昇給の有無
  • 賞与の有無
  • 退職手当の有無と算定方法
  • 食事、通勤、社会保険など福利厚生の内容

こうした追加明示事項を書面化することで、正規雇用者と非正規雇用者の労働条件の違いを明確化し、公正な待遇につなげることができます。

労働条件通知書の作成と交付のポイント

労働条件通知書の作成と交付には、いくつかのポイントがあります。企業はこれらを踏まえた適切な対応が求められます。

交付のタイミングと方法

労働条件通知書は、労働契約の締結時やその後の変更時に交付する必要があります。具体的なタイミングとしては以下のようになります。

  • 新卒者の採用時
  • 中途採用時
  • 有期労働契約の更新時
  • 労働条件の変更時

労働条件通知書の交付方法は、書面での手交や郵送、電子メールなどが考えられます。電子メールの場合は、従業員が確実に受領したことを確認する必要があります。

労働条件通知書のひな形の活用

労働条件通知書の作成にあたっては、厚生労働省が公開しているひな形や記載例を参考にすることをおすすめします。これらを活用することで、記載漏れをなくすことができます。

ひな形の種類 対象者
雇用契約書(労働条件通知書兼用) 一般の労働者
パートタイム労働条件通知書 パート労働者
有期労働契約通知書 有期契約労働者

ひな形は一つの参考例に過ぎませんので、自社の実情に合わせてカスタマイズする必要があります。

労働条件通知書と雇用契約書の違い

労働条件通知書と雇用契約書は性質が異なる書類ですが、両者を兼ねた「労働条件通知書兼雇用契約書」として作成することも可能です。その際は、以下の点に留意する必要があります。

  • 労働条件通知書の必須記載事項を満たしていること
  • 労働者と使用者双方が署名または記名・押印すること
  • 労働者が内容を十分に理解した上で、同意したことを確認すること

労働条件通知書兼雇用契約書を作成することで、書類の効率化が図れる一方、法的な要件をクリアする必要があります。

まとめ

労働条件通知書は、労使間のトラブルを防ぎ、適切な労働条件を保証するための重要な書類です。企業は、労働条件通知書の記載事項や交付方法を理解し、適切に対応することが求められます。また、2024年4月以降の法改正に伴う新たな明示事項にも注意を払う必要があります。

労働条件通知書を確実に交付することは、企業の法令順守を示すだけでなく、従業員との信頼関係を構築する上でも重要です。企業と従業員がお互いの立場を尊重し合い、労働条件について透明性を保つことが、健全な労使関係につながるでしょう。

よくある質問

労働条件通知書の目的は何ですか?

労働条件通知書の最大の目的は、労働者の権利を守ることにあります。明確な労働条件を提示することで、労使間での誤解やトラブルを防ぎます。また、企業は労働者に対する説明責任を果たし、信頼関係を築くことができます。

労働条件通知書に記載すべき事項には何がありますか?

労働条件通知書には、労働基準法や労働契約法で定められた必須の記載事項があります。基本的な労働条件に加え、2024年4月以降は就業場所や業務内容の変更範囲、有期雇用労働者の無期転換に関する事項などの追加事項も明示する必要があります。

労働条件通知書の作成と交付にはどのようなポイントがありますか?

労働条件通知書の交付タイミングは採用時や労働条件変更時に行う必要があり、交付方法は書面での手交や郵送、電子メールなどが考えられます。作成にあたっては、厚生労働省のひな形を活用することで記載漏れを防ぐことができます。

 

※社会保険労務士など行政の窓口に確認をしながら、進めて下さい。