PL・BS・CFのつながりを理解するための簡単な方法:財務三表マスターへの近道
目次
はじめに
企業の財務状況を理解するためには、PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)、CF(キャッシュフロー計算書)の3つの財務諸表を一体として捉えることが重要です。これらの財務諸表は密接に関係しており、お互いに影響し合っています。本記事では、PL・BS・CFのつながりを理解するための簡単な方法について解説していきます。
PLとBSのつながり
PLとBSは「利益」を介してつながっています。PLの利益は最終的にBSの利益剰余金に反映されます。
PLの当期純利益とBSの利益剰余金
PLの最終段階にある当期純利益は、企業の真の利益を表しています。この当期純利益の一部または全部が、BSの正味財産の内訳である利益剰余金に計上されます。利益剰余金は過去の利益が蓄積された項目で、企業の内部留保金ともいえます。
したがって、PLの当期純利益の動きを注視し、どの程度がBSの利益剰余金に組み入れられたのかを確認することが、企業の利益状況や内部留保の動向を把握するために重要となります。
ROEとROA
PLとBSの関係を分析するための重要な経営指標として、ROE(株主資本利益率)とROA(総資産利益率)があります。
- ROE = 当期純利益 / 自己資本
- ROA = 当期純利益 / 総資産
ROEは株主資本に対する収益性を、ROAは総資産に対する収益性を示します。これらの指標を参考にすることで、企業の資本効率や収益力を判断することができます。
BSとCFのつながり
BSとCFは「現金」を介してつながっています。CFの期末残高は、BSの現金及び現金同等物の金額と一致します。
CFによるキャッシュフロー計算
CFは直接的な現金の動きを表す財務諸表です。投資活動や財務活動に加えて、最も重要な営業活動からのキャッシュフローはBSの資産・負債変動額から算出されます。このようにして算出された各キャッシュフローの合計が、BS上の現金及び現金同等物の変動を表すことになります。
したがって、CFを分析することで、企業の資金繰りの実態を確認することができます。営業CFが安定的に黒字であるか、投資CFや財務CFによる現金の出入りの影響はどの程度かなどを確認できます。
現金の調達と投資
CFには、現金の調達と使途が記載されています。例えば、営業キャッシュフローは事業活動から得られた現金収入を表します。また、投資キャッシュフローは設備投資などへの現金の使途が記載されます。
これらの情報を活用することで、企業が現金をどのように調達し、どのような投資を行っているのかを把握できます。財務健全性の判断や事業戦略の立案に有益な情報が得られるのです。
まとめ
本記事では、PL・BS・CFの3つの財務諸表のつながりと、それらを理解する簡単な方法について解説しました。PLで計上された利益がBSの利益剰余金となり、BSの資産・負債の変動がCFの現金の動きとなっているなど、3つの財務諸表は密接に関係しています。
企業の財務状況を正しく理解するためには、PL・BS・CFの相互関係を意識し、つながりを把握することが不可欠です。財務リテラシーを高め、企業の経営実態を的確に分析できるようになりましょう。
よくある質問
PLとBSはどのようにつながっているのですか?
PLの当期純利益は、BSの利益剰余金に反映されます。したがって、PLの利益の動きを注視し、どの程度がBSの利益剰余金に計上されたかを確認することが重要です。これにより、企業の利益状況や内部留保の動向を把握できます。
ROEとROAはどのような意味を持つのですか?
ROEは株主資本に対する収益性を、ROAは総資産に対する収益性を示します。これらの指標を参考にすることで、企業の資本効率や収益力を判断することができます。
BSとCFはどのようにつながっているのですか?
CFの期末残高は、BSの現金及び現金同等物の金額と一致します。また、CFの各キャッシュフローは、BSの資産・負債の変動額から算出されます。したがって、CFを分析することで、企業の資金繰りの実態を確認できます。
財務諸表はどのように関連し合っているのですか?
PLで計上された利益がBSの利益剰余金となり、BSの資産・負債の変動がCFの現金の動きとなっています。企業の財務状況を正しく理解するには、PL・BS・CFの相互関係を意識し、つながりを把握することが不可欠です。