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会社の借入金を返済するには? 経営者が知っておくべき7つのポイント

2024/04/08最新の運営方法とは?

はじめに

企業経営における借入金の返済は、経営者にとって避けて通れない重要な課題です。借入金は事業拡大のための資金調達手段として有用ですが、過剰な負債は会社の経営を圧迫し、最悪の場合は倒産に至る可能性があります。従って、借入金の返済計画を適切に立て、確実に返済することが不可欠となります。本記事では、会社の借入金返済について多角的な視点から解説し、有効な対策を紹介します。

借入金の種類と特徴

まずは、借入金の種類と特徴を理解する必要があります。大まかに分けると、短期借入金と長期借入金の2種類があります。

短期借入金

短期借入金とは、借入期間が1年以内のものを指します。主な種類としては、手形借入や当座借越があげられます。短期借入金の利点は、融資手続きが比較的簡単で、低金利であることです。一方、返済期限が短いため、事業からのキャッシュフローが安定していないと返済が難しくなる可能性があります。

短期借入金は、運転資金の調達に適しています。例えば、売掛金の一時的な立て替えや、季節的な資金需要に対応するためによく利用されます。しかし、借り換えを繰り返すと、借入金が累積して債務超過に陥るリスクがあるため、注意が必要です。

長期借入金

長期借入金は、返済期間が1年を超えるものです。設備資金や事業資金の調達に利用され、不動産担保付き融資が一般的です。長期借入金のメリットは、毎月の返済額が比較的少額で済むことです。一方でデメリットとして、金利が高く、手続きが複雑になる点があげられます。

長期借入金の返済期間は、日本政策金融公庫の創業融資では設備資金は最長20年、運転資金は最長7年と定められています。金融機関との十分な協議と、無理のない返済計画の立案が不可欠です。

借入金返済の方法

会社の借入金を返済するための具体的な方法は、さまざまあります。会社の財務状況や借入目的に合わせて、適切な方法を選択することが重要です。

元利均等返済

元利均等返済とは、借入期間中、毎月の返済額が一定となる方式です。初期段階では利息の割合が高く、後半になるにつれて元金の割合が高くなります。一定の返済額を維持できるため、経営が軌道に乗るまでは負担を抑えられるメリットがあります。

一方で、借入期間全体での総返済額は他の方式に比べて高くなる傾向にあります。また、途中で一括返済した場合、期間に応じた利息がかかってしまうデメリットもあります。

元金均等返済

元金均等返済は、毎月の元金返済額が一定で、利息分が徐々に減っていく方式です。初期段階での返済負担は重くなりますが、借入期間全体の総返済額が比較的少なくなるメリットがあります。

一方で、初期の返済負担が重いため、事業が軌道に乗るまでの間は適さない面もあります。また、返済の最終段階で利息分が少なくなるため、節税効果が薄れるというデメリットもあります。

一括返済

一括返済とは、借入期間の途中で一度に全額を返済する方法です。事業が好調で一時的に余剰資金があるときなどに行われます。借入金の利息負担を最小限に抑えられるメリットがありますが、一時的に大口の資金が必要になるデメリットもあります。

一括返済には、期限前返済加算金が発生する可能性があります。また、借入金に付随する保証料などの手数料の取り扱いにも注意が必要です。

借入金返済のための資金調達

借入金の返済原資を確保するため、様々な資金調達手段を検討する必要があります。

事業収益からの調達

事業収益から返済原資を捻出することが最も基本的な方法です。収支改善のための経営合理化や、売上増加に向けた営業努力などが求められます。また、分割払いや手形決済などの活用で、売掛債権の circulationを高めることも有効です。

不動産や設備などの保有資産の売却や、ファクタリングによる売掛債権の流動化も検討できます。ただし、事業基盤を損なわないよう注意が必要です。

新規資金調達

借入金の借り換えや増資などによる新規資金調達も選択肢の一つです。ただし、既存債務の返済原資を新たな借入に頼ることは、将来的な債務膨張を招く恐れがあり、慎重な検討が不可欠です。

政府系金融機関の融資制度や、補助金・助成金の活用なども視野に入れましょう。事業の将来性や融資目的をしっかりと説明し、心証を得ることが重要です。

借入金返済に関する留意点

ここまで、借入金の種類や返済方法、資金調達手段などを解説してきました。借入金を返済する際には、以下の点にも留意が必要です。

借入先との関係構築

金融機関と良好な関係を築くことが肝心です。経営状況を適切に開示し、返済計画を丁寧に説明することで、金融機関の理解と協力を得られやすくなります。返済が滞った際の対応も、スムーズになるでしょう。

金融機関には、返済能力に関する審査基準があります。自己資本比率や売上高対借入金比率など、経営指標の改善に努め、高い返済能力を示すことが重要です。

リスケジューリングの活用

返済が難しくなった場合は、金融機関とリスケジューリング(借入条件の変更)を交渉することができます。返済期間の延長や一時的な利息支払いのみなど、条件を緩和してもらうことで、返済負担を軽減できます。

ただし、リスケジューリングの実現には、確実な経営改善計画の提示が求められます。取引先や従業員にも会社の経営状況が知られるリスクもあり、慎重な検討が必要不可欠です。

法的手続きの活用

借入金の返済が極端に困難になった場合は、法的な手続きを検討する必要があります。任意整理や個人再生、自己破産など、会社や経営者の状況に合わせて手続きを選択しましょう。

法的手続きにも様々な影響がありますので、早期に専門家に相談することをおすすめします。信用情報への影響や生活資産の処分など、デメリットも理解した上で、最善の選択をする必要があります。

まとめ

会社の借入金を返済するには、返済計画の立案と、着実な実行が肝心です。短期と長期の借入金の性質を理解し、適切な返済方式を選択することが大切です。事業収益や資産売却などで返済原資を確保する一方、新規調達の必要性も検討しましょう。

また、金融機関との関係構築やリスケジューリングの活用、場合によっては法的手続きの検討など、状況に応じた様々な対策が重要になります。借入金返済は、経営者の手腕が問われる課題といえるでしょう。本記事が参考になれば幸いです。

よくある質問

短期借入金と長期借入金の違いは何ですか?

短期借入金は1年以内の借入で、運転資金の調達に適しています。一方、長期借入金は1年を超える借入で、設備資金や事業資金の調達に利用されます。短期借入金は手続きが簡単で低金利ですが、返済期限が短いため注意が必要です。長期借入金は毎月の返済額が比較的少額ですが、金利が高く手続きも複雑になります。

借入金の返済方法にはどのようなものがありますか?

主な返済方法には、元利均等返済、元金均等返済、一括返済があります。元利均等返済は初期の利息負担が重く、総返済額も高めとなりますが、返済額が一定で経営が軌道に乗るまでの負担を抑えられます。元金均等返済は総返済額が少なくなりますが、初期の返済負担が重くなります。一括返済は利息負担を最小限に抑えられますが、一時的に大口の資金が必要になるデメリットがあります。

借入金の返済原資をどのように確保すればよいですか?

事業収益からの返済が基本ですが、売掛債権の流動化やファクタリングなど、さまざまな資金調達手段を検討することが大切です。また、借入金の借り換えや増資による新規資金調達も選択肢の1つですが、将来的な債務膨張に注意が必要です。政府系金融機関の融資制度や補助金・助成金の活用も視野に入れましょう。

借入金返済の際の留意点は何ですか?

金融機関との良好な関係構築が重要です。経営状況を適切に開示し、返済計画を丁寧に説明することで、金融機関の理解と協力を得られやすくなります。返済が困難になった場合は、リスケジューリングの活用や法的手続きの検討が必要になる場合があります。ただし、これらにはデメリットもあるため、早期に専門家に相談することをおすすめします。